宮崎駿少年と 病弱な母が原点
8月5日にNHKプロフェッショナルスペシャルで放映された「宮崎駿のすべて」~ポニョ密着300日~を、昨夜私は、録画で観た。強さ、速さばかりを競う、オリンピックテレビ放映には飽き飽きしていたからだ。
私は、今回の宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」をまだ観ていないが、今回の作品の舞台裏に取材したプロフェッショナルを観て、六十七歳になる宮崎駿監督の心の中に潜んでいた、幼少期からの母親との関係の葛藤などを知らされ、なるほどな~と、感動した。
宮崎駿氏は、幼少期に母親の背中に、おんぶしてもらえなかった。母親は結核に侵され、その菌が脊椎にも及んでいたからである。駿少年が、「おんぶしてほしい」と母親に言うと、母親は、「出来ないと」、涙ながらに断ったのだという。
そうした病弱の母親を前に、四人きょうだいの上から二番目だった駿少年は、「いい子」になろうと演じ続けたやさしい子だったのだ。そうした駿少年の、ベットに寝たきりの多かった母親への思い…。しかし、その母親は、本来は明るく、活発で言うことはズバリと言う、勝気で、そして芯はやさしい人柄だったらしい。
そう言われてみると、彼の作品には、例えばトトロでは、病気の若い母親が登場したり、他の作品でも、魔法使いのような顔の、勝気な母親と言うか、おばあさんが、よく登場する。彼の描く母親は、トトロの時の若く美しい母親以外は、鼻のとんがった、魔法使いのような外見はツンツンした感じのおばあさんが多い。しかし、その心の芯には、温かなユーモアーとやさしさを秘めている。
そして、今回の「ポニョ」では、本来は歩けないでいた車椅子のおばあさんが登場して、最後に主人公の一人である少年を助ける時に、立ち上がり、少年を正面からガッチリと受け止め、抱きしめている場面が、今回の番組で紹介された。
この主人公の少年が、宮崎駿であり、車椅子から立ち上がり、少年の持つポニョの入ったバケツごと、正面から受け止め、抱きしめるてくれるのが、宮崎駿監督の心の中では、自分の母親であったのだ…。
さびしさを抱えた、やさしい駿少年は、手塚治虫作品などに出会い、アニメの世界へのめり込んで行った。そして、アルプスの少女ハイジなどの優れた作品を手がけ、苦難の中で、「人をよろこばせる作品を作らなければ、自分には生きている意味がない…」、そうした厳しい思いの中で、彼は、次々と夢のある作品を生み出しているんだな~。
豊科シオン幼稚園の夏休みは、今日で終わりです。みんな家族の中で、いっぱいの思い出の夏を過ごしたことと思う。今日の伊那高原は冷たい風が吹き、雨も落ちる、暗い雨雲の空です。今日は、どうやら、プールは無理だなー。久しぶりに図書館へ行ってみようと思う。
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