フォト
無料ブログはココログ

« 「必生」 立ち上がれ そして | トップページ | 四季折々に学ぶ 野外教室 »

2011年2月 1日 (火)

ベトナム戦争 枯葉剤の残酷さ

01005NHK ETV特集「枯葉剤の傷痕を見つめて~アメリカ・ベトナム 次世代からの問いかけ」 の録画を昨夜に観た。30日(日)に放映された番組である。

兵役経歴を持つ写真家の夫グレッグ・デイビスさんの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、『花はどこへいった』(英題「Agent Orange -a personal requiem-」)を制作した坂田雅子監督の働きを軸に、ベトナム人とアメリカ人両被害者たちへのインタビューなどを交えた番組だった。原爆の放射能のように今も人体や土や自然界に深刻な影響を残している、この枯葉剤を使った残酷さに関係者たちは気づいているだろうか。

ベトナムの産院で中絶された奇形の胎児がホルマリンの入った瓶に詰められ棚に多数並んでいた映像は衝撃的だった。ベトナム戦争に兵役し枯葉剤に侵された父親。その家庭に生まれ、やはり手と足に奇形を持って生まれたアメリカ人女性は、それらを見て、「私も紙一重で、この瓶の中にいたのかもしれない…」と語っていた。この女性の父親は、「子どもを連れて行く戦争と知っていたら、私は兵役拒否をすべきだった」と語っていた。

この産院で今は、出生前診断で、胎児の奇形が判別でき、中絶をするケースが多いという。中絶するかどうかの最終判断は母親が決断することになる。

足や手の軽度な奇形の場合は医師としても、出産をすすめるケースも多いが、無脳状態や、頭が二つだったり、手や足が首などの前に突き出したり、眼球や鼻がなかったりの奇形もあり、枯葉剤が胎児の人体形成や機能形成に、残酷な影響を及ぼしていることに愕然となった。

「産んでくれてありがとう」、「生まれて来てよかった」このように言えることを、残酷に奪い去さったベトナム戦争。事実、番組の中で、「こんな私を産んだ母親が悪い」との言葉を母親に残して、最後は枯葉剤による癌にも侵され、若くして苦しい生涯を閉じた女性も紹介していた。子宮も膀胱も奇形で、胸からお腹には薄い膜しかなく、全身の自由もきかず、皮膚のあるところは痣で覆われ、あばら骨も筋肉も無く剥きだしで生まれた女性だった。そして必死で産み育てた母親の苦悩…。

しかし、「がんばりましょう」と重い障害を全身に負いながらベトナムの女性がアメリカの手足に奇形を持って生まれた女性に語りかける場面や、坂田雅子さんに、このアメリカの女性から、「こうしたベトナムへの旅と出会いは、私が枯葉剤の被害にならなかったら、なかった。しかし、この出会いに心から感謝します」の手紙が届く。この番組の最後のこの場面が、唯一の救いのように、私には思えた。

« 「必生」 立ち上がれ そして | トップページ | 四季折々に学ぶ 野外教室 »

幼稚園」カテゴリの記事

コメント

『花はどこへいった – ベトナム戦争のことを知っていますか』を先日初めて見ることができました。ご紹介のNHK ETC特集の内容は、同監督の第二作『沈黙の春を生きて』に近いと感じました。こちらもぜひ見てみようと思います。ご紹介に感謝です。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ベトナム戦争 枯葉剤の残酷さ:

« 「必生」 立ち上がれ そして | トップページ | 四季折々に学ぶ 野外教室 »