元旦の新聞から

元旦の新聞は分厚くて重い。朝日新聞元旦の記事に「私は詠む子と夫の生きた証を」という東日本大震災に関するページがあった。

岩手県大槌で被災した小畑幸子さん(79)は、被災後から短歌を始めこの二年間で書き留めた歌は600首近くになったという。

この記事の副題に「大槌の被災女性、愛犬とともに600首」とあり、「愛犬に亡き子夫を話す時尾ふりすりよる話わかりて」というのがあった。

この犬は被災後、家の辺りに駆けていき、がれきを掘って剛さんを捜した。遺骨を見せて「兄ちゃんだよ」と言うと、箱を開けようとした。

震災後は足がふらつくようになり、動物病院で「震災ストレス」と言われた。そんな体調になっても、いつも小畑さんの顔をなめ、涙を拭き取ってくれた。

そうだろうなあ。この一家も飼い犬を家族の一員として可愛がり、心を注いでいたに違いない。生き残った小畑さんと犬は今、支えあいながら生きているんだな。

こうした心の支えあいこそが、明日に向かって生きようとする希望や勇気となるのだとわたしは強く思った。「仏前の朝のおつとめする時は愛犬の無事も切にお願いす」という歌もあった。そうだよな。このわたしが祈る時も、ロッキーのことも必ず祈っているもんなあ。